木をつかうということ
グリーンサンタ基金の活動のひとつに保育園・幼稚園、小学校などへの国産材製品の寄贈事業があります。
これは子どもたちに、木というものに直に触れてもらって、その匂い、手触り、木でないものとの違いなどを実際に感じてもらい、それをきっかけとして森について知ってもらうという事業です。
日本は世界でも有数の森林国ですが、国産材の自給率はわずか26%(2011年)と、1955年の87%に比較してとても低くなっています。
日本の国土の67%は森林が占めるのに、日本で使われる80%の木材は外国から来たものなのです。
木製品であったものが、プラスチックや新しい素材に変わってしまったのも原因のひとつですが、1960年代にはじまった木材の輸入自由化により、海外からの安い木材が大量に輸入され、それにより国産材の価格が下落しました。
これらの影響で、1980年をピークに国産材の価格は落ち続け、日本の林業経営は苦しくなっていきました。
そして、間伐をはじめ、森の管理や伐採、伐採した木を搬出するという費用を回収することができなくなるケースが相次ぎ、林業は衰退してしまいます。伐採を行っても採算がとれずに赤字になってしまうという状況下で林業離れが進み、森は充分な手入れがされず、荒廃が目立つようになりました。
荒れてしまった森は、台風等の被害を受けたり、大雨等によっ て、土砂災害を起こしやすくなります。また、二酸化炭素を吸収するという森本来の働きも低下します。
森は、植えて、育て、そして伐採するというサイクルが必要です。このサイクル回すためには、国産材を積極的に利用し、需要を高める必要があります。
私たちが日本で国産材を使うということは、日本の森を元気にすることにつながっているのです。